Array ( [0] => 12 [1] => 14 [2] => 13 [3] => 1 [4] => 17 [5] => 16 [6] => 11 [7] => 15 ) Fairground_vol.7 » 東京・横浜へ旅行に(3)

東京・横浜へ旅行に(3)

横浜の黄金町にホテルをとったのだが、それには少しだけ理由があった。

高校時代、人との交流が苦手で、ギターを弾いて歌ったり、音楽やラジオを聞いたり、本を読んでばかりいた暗~い私は、ラジオで稲葉喜美子というシンガーソングライターのライブを聴いて、衝撃をうけた。
それは、これまでになく、暗い歌の数々だったのだ。
中島みゆきなど、暗さの代名詞は他にもあったけど、フォークソング的暗さとはまた違う。
声自体の湿り気が、曲調や、アレンジ、歌詞、すべてを巻き込んで、暗~いにぶい光を放っているみたいだった。
その話を部活の同級生にしたら、「あ~、あの、猫と住んでるとかいってた暗いやつね、あれ、おかしいよね!あたしはキライ」といわれて、ますます口に出しにくくはなったが、一度でもいいから、ライブを聴いてみたい!と思っていた。アルバムも聴いたが、そのラジオのライブが断然すごかったから。

でも、その後、活動をやめてしまったので、もうライブは聴けない。
稲葉喜美子の歌のモチーフは、どれも横浜だった。そして、中でも「日の出町ブルース」は、群を抜いて暗オーラを放っていた。
なんだろうコレは?と、私は、歌詞の意味や背景をあれこれと、理解しては驚いたり、落ち込んだり、したものだ。
日の出町、黄金町と、歴史を検索すれば、今の時代ならネットでいろんなことがわかるだろう。でも、当時は、本を読んで探っていくほかなかったのだ。親にも聞けないしね。

そういうわけで、別に当時を知れなくてもいいから、そのはじっこに、一泊するのもいいんじゃないかと、選んだのが黄金町だった。

日の出町には、京急線でひと駅。

別に何をするわけじゃないけれど、JRAに向かう、競馬新聞を読み込む忙しそうなおじさんたちに混じって、娘と私も駅外へ。
川沿いを歩いて、看板の説明をときにしながら何気なく景色を写真にとって、駅へ戻り、横浜方面・つまり帰る方向へ。

たったそれだけなんだけど、行ってよかった。しかも、あの歌を聴いたのと同じ年頃になった娘と二人で。
これでやっとあの得体のしれない憧れも、おしまいかもしれない。

書いた以外にも中華街いったり、それなりにいろんなことあったんだけど、特に書き留めたかったことはこのくらい。

一生懸命働いて、また、旅行にいくよー!


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